「自他境界が曖昧(自他未分)」とは、ただ単なる価値観の押し付けや異なる価値観への非寛容ではない。
また、自分の感覚で相手の意向を推測するのは障害の有無を問わず、むしろ普通のことではないだろうか?
自他未分とは本来、自分とは異なる存在である他者を自分の一部として捉える感覚である。
発達障害者、特にASD者の場合、自分は他者とは異なる存在であることを嫌というほど経験して孤立感を深める。
また、自分から他人に働きかけるのが苦手な人が多いのは、他者の言動が予想困難であると認識しているのも一因である。だから不安が先に立つ。
定型者はどうだろうか?
家族、夫婦、所属しているコミュニティ、その他親しい間柄において、「一体感」や「以心伝心」を当然のことと捉え、同じ感覚や価値観を共有できなければ疎外する。
そう考えた時、「自他境界が曖昧(自他未分)」はどちらだろうか?