発達障害、特にASDの特性と言われる「”自他境界”が曖昧」も、意味やニュアンスが転じている。
今回はこれについて書いてみたい。
生まれた子は外界からの刺激、特に養育者とのスキンシップを通して自分と他者、および自分の内界と外界との境界を認識すると言われている。
これにより、外界や他者は自分とは異なる存在であり、自分のコントロールの及ばないものであることを認識する。
こうした感覚の獲得に失敗すると、他人と自分の違いが分からず、無駄に他人をコントロールしたがったり、自分の感覚を人に押し付けたり、
他人も自分と同じように感じたり考えたりしているに違いないと思い込んだりする、と言われている。
これを「自他境界が曖昧」と言う。
しかし、この概念のこうした起点に立ち返るのであれば、「これは本当にASDの特性であろうか?」という疑問が湧く。
これはむしろ定型者の特性ではないだろうか?(続)