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学問的な話

2018.10.02 学問的な話

発達障害の概念の整理

2013年、診断基準(DSM)が改定され、発達障害の概念が再編されたため、様々な用語(概念)が聞かれるようになりましたので、少し整理します。

ADHDは、注意欠如多動性障害です。以前は注意欠陥多動性障害と呼んでいましたが、中身は同じです。
ADDは、ADHDのH、つまりhyperactiveが抜けたもので、多動がなく不注意優勢型です。
「片づけられない女たち」には主にこのタイプの女性のことが記載されています。

自閉症性障害は知的障害を伴う自閉症ですが、アスペルガー症候群・高機能自閉症・広汎性発達障害には知的障害は伴いません。
改定後の診断基準ではこれら4つが「自閉症スペクトラム障害(ASD)」としてまとめられました。

学習障害(LD)は、新診断基準(DSM5)では「限局性学習障害(SLD)」と記載されています。
ディスレクシア(読み書き障害)・ディスカリキュア(算数障害)はこのカテゴリーに入ります。

発達障害は主に、普段の行動観察や主訴(主な困りごと)、自閉症スペクトラム指数を測定する質問紙(AQ-J)やADHD傾向を測る質問紙(CAARS)、知能検査(WISC・WAIS等)などを基準に診断されます。
発達障害の人の知能検査結果は、ひどく苦手な部分と得意な部分が顕著に出ます。
発達障害が俗に「発達凸凹」と言われるのはこのためです。

そのため、彼らにはその発達特性に見合った教育が必要です。
(教育現場における合理的配慮の必要性)

彼らはいじめを受けて二次障害を発症したり、不登校になることもあります。
無理な登校刺激で再登校を目指すよりも、よりよい学習環境を用意することが大切です。

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