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学問的な話

2019.10.06 学問的な話

神経発達障害群の全体像

神経発達障害群は神経発達症群とも訳される。
主にADHD,ASD,LD,知的障害、運動障害などが含まれるが、これらはそれぞれ別の障害としてあるのではない。

発達障害は俗に「発達凸凹」と言われるとおり、認知機能(情報処理のプロセス)に偏りがある。
言語理解が優位で視覚による情報処理が弱い人、数的処理は得意でも空間認知の弱い人など様々だが、この凸凹はLD的であると言ってよい。
こうした凸凹によりADHDやASDの特性が現れる。
ADHD,ASD,LDがしばしば同じ人に併発しているように見えるのはこのためである。

余談だが、こうした併発を一部の当事者の間では「ハイブリッド」ということもあるらしいが、これは少々語弊のある表現かもしれない。
便宜上「ADHDとASDの併発」と言うことはあるが、実際は別のものが2つ合わさったのではなく、両者は発達障害の現れ方の違いとして捉えられるからである。

また、知的障害は全般的な知的機能が標準を大幅に下回る状態である。
知的機能の凸凹が定型(健常者)なみであれば知的障害だが、発達障害なみに凸凹があれば、知的障害を伴う発達障害として理解される。

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